第7回 景品表示法・有利誤認表示とは?

前回のコラムでは景品表示法により禁止されている表示である「優良誤認表示」についてご紹介しました。続きまして、同様に禁止されている表示である「有利誤認表示」についてご紹介します。

 

「優良誤認表示」は、商品・サービスの品質・規格等についての表示でしたが、一般的に、広告にはそういった内容のほか、価格等の取引条件についても表示されることが多いものと思われます。こちらも、実際より、またはライバル会社(競業者)のものよりも著しく「有利」であると表示した場合には、景品表示法違反となります。こういった表示のことを、「有利誤認表示」と呼びます。

 

例えば、「通常価格2,980円のところを 今だけ!1,980円」という表示をした場合、「2,980円」が「最近相当期間にわたって販売されていた」価格なのであれば何の問題もありませんが、2,980円で販売されていた実績が実際には無かった、または、販売はされていたが極端に短い期間であったような場合には、有利誤認表示に該当します(図1)。

図1.有利誤認表示の例

 

同様に、商品のメーカーが実際には希望小売価格を設定していなかったにも係わらず、「メーカー希望小売価格の30%OFFでご提供!!」という表示をした場合も、有利誤認表示に該当します。

 

また、「おひとつ3,600円」とだけ表示して、あたかも3,600円を支払えば誰でも商品を購入できるかのように表示していたにも係わらず、実際には、有料での会員登録や別のサービスを受けた方でなければ3,600円で商品を購入することはできないような場合(図2)も、取引条件について実際よりも著しく有利であると示しているものと判断され、優良誤認表示に該当します。

 

こちらの有利誤認表示、優良誤認表示に比べると措置命令等の原因となることがかなり少なかったのですが、平成30年4月現在、この有利誤認表示を原因とした措置命令の件数が増加しており(図2)、消費者庁をはじめとする行政機関が厳しい目を向け始めていることが伺えます。

図2.措置命令の原因となった表示の違反内容

 

広告を作成される際には、商品の品質、規格等と同様に、価格等の取引条件についても、注意が必要であることをご理解いただければ幸いです。